倒産企業に占める破産の割合
東京商工リサーチの発表では、2010年の「企業倒産における破産動向調査」において、企業倒産は2年連続で前年を下回りました。しかし、企業の解体・消滅である破産件数の構成比は過去最高を記録しています。
2010年の破産件数は9579件と前年比で511件の減少であったものの、倒産全体に占める割合は、前年65.2%より6.7ポイント高い71.9%と過去最高に達し、倒産全体の7割を占めました。
破産の増加要因としては、2000年12月に東京地裁が企業の破産手続きを大幅に簡素化した「法人少額管財手続き」が、全国の地裁で実施されるようになったことが大きく、それに加え長引く景気低迷による業績不振や借入金などの過剰債務が、経営の重荷となってしまった中小企業が多いことが挙げられます。
目立つのは小規模企業で、破産の負債総額は前年比23.0%減の1兆6893億3500万円と減少。負債10億円以上の大型倒産が同27.6%減の257件にとどまり、過去10年で最も少なかったことが影響しています。
これに対して負債5000万円未満は同2.0%増の5228件(前年5125件)で、倒産全体に占める構成比は39.2%を占めました。
このように、破産件数は高水準で推移し、民事再生法など再建型倒産は減少。事業再建を断念する企業が多いことが浮き彫りとなりました。
東京商工リサーチでは、現状は、小・零細規模の企業が中心であるものの、景気回復の展開次第では中堅クラスまで拡がる可能性も否定できないとしています。
【2011年2月】